シトナイ沢 羽後朝日岳〜部名垂沢下降
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当初、3名の予定だったが、会長が所用で参加できなくなってしまい、若干の不安もありながらおのでらさんと2名で遡行。
地形図を見ると、前半はかなりなだらか、しかも堰堤が数箇所あるが、後半は一気に傾斜が強くなり、手応えのある沢だとふんだ。
前半は、砂地・ゴーロ・流倒木等などにウンザリさせられたが、後半は期待違わず、素晴らしい沢だった。
天候にも恵まれ、久々の会心の山行だった。
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5:00 |
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車 発 |
5:30 |
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シトナイ分岐 |
8:48 |
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615の二俣 |
9:00 |
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10m大滝 |
10:12 |
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高巻終了 |
10:55 |
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20m大滝 |
12:00 |
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高巻終了 |
13:10 |
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稜線 |
14:00 〜20 |
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山頂 |
17:20 |
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部名垂下降終了 |
17:55 |
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車 着 |
【前半】
先ずは、下降に使う部名垂沢の取っ付きへ車をデポ…と思ったが、最近続いた豪雨のせいか、林道が土砂崩れのため、取っ付きよりはるか手前でデポする破目になった。デポ地点には「部名垂沢1.4k」という看板があった(帰りに分かったのだが、部名垂林道入口まで1.4kの意味であり、取っ付きより3kほど手前であった。)。
その後、取っ付きとなる生保内川の林道へ車で向かった…が、林道に入ってすぐに林道が崩壊していた。林道崩壊地点は、それなりに水深があるように思え、また、流れも速かったので、最悪中止を覚悟したが、周囲はまだ暗く、状況が分からなかったので、とりあえず明るくなるまで待つことにした。
明るくなってから確認すると、川に入らなくとも、崩壊地からまだ崩壊していない地点までの歩行が可能であった。
林道からシトナイ分岐へ。地形図にもあるとおり、シトナイ沢に沿って道があったが、半藪化していた。また、今回の遡行全体を通じて言えたことだが、岸が崩壊している箇所が多数あり、消えてしまった道も多かった。
堰堤がなくなるまでは、砂地が多かった。また、豪雨の影響であろう、流木や岩石の堆積が酷かった。
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シトナイ分岐より1時間半ほど後
漸く雰囲気が出てきた |
それでもゴーロが多かったが、たまにこんな箇所や、
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切り立った壁や、 |
ゴルジュがあった
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615の二俣
前半終了
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【後半】
前半は道となだらかな地形のお陰で距離を稼げたが、後半は一気に高度を稼ぐ。
二俣を過ぎると、岩が大きくなった。また、滝が多く、連瀑帯を含め、小気味よい滝を越えながら詰める沢は実に爽快であった。
高巻は2箇所。いずれも傾斜がきつく、斜面の途中でトラバースできず、水平移動のため上部まで登ることを余儀なくされ、時間を要した。
2箇所目の高巻以降は、苦労した褒美と言わんばかりの滑床の連続であった。
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二俣より上流を仰ぐ |
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小滝 上にも小さく小滝が写る
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8m滝 |
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ここは気持ちよく、 |
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シャワークライミング! |
シャワークライミングを終えると、 |
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その直後に10m大滝が待っていた |
下部が写真の通り岩に傾斜があるので、中腹までは滝の裏側を通って行ける。その上は、登れそうな感じもしたが、取っ付きのスタンスが心もとなく、高巻くことにした。
我々は、岩の傾斜最上部から少し登った箇所から巻いたが、この位置から巻くのはかなりショッパかった。先ず、ホールドがない、というよりブッシュに届かない。どうしたかというと、お助けシュリンゲをブッシュに投げ、枝を引き寄せて登り始めた。その後は傾斜がきつく、ブッシュをホールドにして懸垂をするが如くであった。ザイルで後続を引き上げた。
対照的に、下降点はさほど厳しい傾斜ではなかった。
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奥に小滝
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写真では小さく分かりにくいが、連瀑帯 |
連瀑帯上部
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進むと更に続く
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ひねりナメ滝 |
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ナメ滝を登るおのでらさん |
傾斜滝とでも言うべきか |
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そして出た、2段20m大滝 |
1段目は、水量が少なければ登れるような気がしたが、無理せず高巻くことにした。ここの高巻も傾斜がきつく、また、上部へ出てからは密藪で難儀した。
高巻の途中で、2段目のすぐ奥に、下の写真にある大滝があることがわかった。藪のため滝の全貌は明らかにならなかったが、おそらく30m級の大滝だと思われた。
下降点の傾斜は登りほどでもなく、下部まで笹薮があり、安心して下りられた。
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高巻の途中で見た大滝 |
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高巻を終えると、ナメ! |
またナメ!
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更にナメ! |
と思ったら出てきた滝!
ここはシャワークライミングで突破!
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お次は、これでもか!と言わんばかりのナメ!
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おーっと、また出た滝! |
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と思ったら1160の二俣だった! |
源頭
写真正面の岩壁の右にある岩壁を登る。ホールド・スタンスともにしっかりしていた。
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振り返ると志度内畚 |
藪こぎを経て稜線へ
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羽後朝日岳と去年遡行した山頂へ突き上げる生保内川のうねり |
部名垂下降点までは藪こぎが続く
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山頂にて
稜線は秋一歩手前。名残惜しそうに咲いていたハクサンフウロ、ミヤマアキノキリンソウそして二度咲のハクサンイチゲが印象的であった。
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山頂で少々休憩の後、下降点まで戻り、部名垂沢を下降。
部名垂取っ付きからデポした車までは余韻に浸りながら林道を歩いた。林道は至るところで崩壊・土砂崩れがあった。また、林道では、何とも盛大なアブの歓待を受けた。
翌日、アブに食われた痒みという、ある意味余韻に浸らざるを得なかった(笑)。
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